ダークギース



 
 
 
2091年の第2次ハフマン紛争において、OCU軍の傭兵部隊「キャニオンクロウ」が脱走し、OCU軍とサカタインダストリィ事件との関係を公表するという事態が発生して以来、OCU軍では傭兵部隊の編成が禁止された。しかし、隠密・特殊な作戦は実戦経験の少ない兵士では手にあまる場合が多く、実践経験豊富なスペシャリストの存在が必要とされたため、OCU国防軍は中央議会、軍下層部には内密に、編成責任者をペレス・ガブリエル国防長官として傭兵部隊「ダークギース」を2098年に設置した。

任務は破壊工作、諜報、警護、暗殺など多岐に渡り、召集後24時間以内に世界中どこへでも移動し、作戦を行うことができる。部隊員は作戦の漏洩を防ぐ為、作戦時に身分を証明する物品を携帯しない。

2102年のアロルデシュ・クーデターの際には、クーデター首謀者のマッカージェ、フェンリル計画責任者のヘンシェル、フェンリル計画露呈に関与したOCU軍兵士の暗殺任務に携わっていた。
 
     
 
 
 
2065.10.4−2102.6?(37歳/2102)M183/80A型OCUオーストラリアOCU陸防軍第1軍戦略研究所OCU陸防軍大尉兵士として実力は高く,ヴァンツァー・戦闘ヘリ・戦闘機など,あらゆる兵器の操縦に通じ、白兵戦・サバイバル術・暗殺術にまでたける。実戦経験も豊富で多くの功績を挙げている。 

2082
 OCU陸防軍へ志願入隊。民間ヘリライセンスを取得していたため、第1軍輸送師団教導隊で訓練を受け、戦闘ヘリ操縦資格を試験を取得。
2085
 第86支援航空隊ブランカーに戦闘ヘリパイロットとして配属。伍長に昇格。
2087
 VTOL攻撃機の操縦資格取得。
2088
 ヴァンツァー操縦資格取得。特殊部隊教導隊に特殊部隊員候補生として配置転換。
2089
 特殊部隊に配属。少尉に昇格。
2090
 ハフマン危機時代にハフマン島で特殊作戦に従事。
2092
 第2次ハフマン紛争時、フリーダム市奪還作戦・鷹の涙作戦など数々の重要作戦に参加し、他の隊員とともにグレイトフォックス勲章を授与された。
2093
 大尉に昇格。ガボン内戦でOCU軍の捕虜救出作戦に参加し18名救出。
2099
 自主退役。2102年まで消息不明。
2102.4
 戦略研究所に入所。戦略コンサルタントとしての任務につく。アロルデシュ・クーデター時にはダークギースの隊長としてマッカージェ中佐らの暗殺作戦に参加。作戦行動中死亡?
 
サカタインダストリィ事件で懲りなかったOCU国防軍はアロルデシュで再び失態。「悪いことばっかりしてるなあ」といえばそうなのだが、軍の機密性を考えると「お前はザルか」という気がする。リーザは切羽詰っていたとはいえ、情報部のトップシークレットを一介の兵士らに暴露したあげく、フェンリルを勝手に破壊。人道的観点からすれば正しいかもしれないが、軍規・命令違反で重罰が科せられる可能性が高い。なにしろ、フェンリルが実用に適えば、国防軍の切り札になる。それを暴露されてしまったことは戦略上大きな損失であり、国益を損ねたといえる。アロルデシュを実験場とした国防軍の愚行は国際世論が裁くだろうが、リーザらの罪も決して軽くない。しかも、ホードマンと対峙し同胞のOCU部隊を攻撃したことも、アロルデシュにとってはヒーローだがOCUにとっては反逆者である。あえて言えば、ダークギースが要人やリーザらを狙ったのは機密保持の最終手段として適切であった。チャンジャン将軍がガブリエル国防長官宛てで「リーザたちを大目に見てやって下さい」的な要望を出しているが、アロルデシュを救ったとか理由はどうあれ、守秘義務違反・その他反逆については厳密に裁かねばならない。
何にせよ国防軍は機密保持の考え方が甘い。リーザやサユリには「フェンリルの回収」のみを指示し、機能について情報を与える必要はなかった。ヘンシェルの扱いに落ち度があった。しっかりと機密保持ができることを確かめてから、危ない橋を渡るべきだろう。というわけで、フェンリル事件が世間に知られるかどうかはOCU軍籍でないメイランやサリバシュCISU(パイク)にかかっている。